2011年御翼10月号その3

デュウェイン・ホージー選手の結婚観

  

 1997〜98年の2年間、ヤクルト・スワローズに在籍し、97年にはホームラン王に輝いた大リーグ選手デュウェイン・ホージーは、チームのムードメーカーとしていつも周囲を明るくしていた。クリスチャンのホージー選手は、救われた幸せや喜びを、人々にも味わってもらいたいと、努めて周囲を明るくしていたのだ。
 少年の頃からスポーツ選手になるのが夢だったホージーであるが、育った地域がギャング(非行少年グループ)の大勢いる所で、彼は13歳でギャングの仲間入りをする。周りにはそんな世界しかなく、当たり前だと思っていた。 ホージーはギャングになっても、酒もタバコもやらず、冒涜的な言葉も使わなかった。牧師の娘である母親の躾によるものであった。そのため彼は、自分では良い人間なのだと思い、神の前でそれを誇っていた。しかし、ギャング仲間が次々と殺されていくようになると、ホージーも家族も教会に行く必要を感じ、彼はそこでキリストと出会う。キリストは、あるがままで来なさい、癒してあげよう、願いさえも変えてあげよう、と言われた。主はホージーをギャングのまま受け入れてくださったのだ。しかし彼は、次第に変えられていった。かつては短気で喧嘩ばかりしていたのに、頭に来ることがなくなった。人の魂のことを考えるようになり、心に憎しみではなく愛を持つようになる。  
 かつて自分がギャングだったことは、鉄の鎖のように重たい過去かもしれない。しかし、人々をキリストへと導き、魂を救いたいという願いが、あらゆる苦難に勝利する秘訣となっているのだ。以下は1998年、キリスト教番組ハーベストタイムに出演した時、ホージー選手が語った結婚観である。
 「結婚というのは、神が定められた制度の中でも特に素晴らしいものです。真の愛が表現される場です。真の友情が実行される場でもあり、謙遜を学ぶ場でもあります。私もひとりの人間、妻もひとりの人間であり、別個の人間が、結婚の中で共に生きることを学ばなければならないのです。結婚して6年になりますが、互いの違いを受け入れ、神の言葉に従って、愛し合うをことを学んでいます。今は正しい優先順位を持つようになりました。優先順位を間違えると、物事がうまくいかなくなります。ピラミッドの頂上には、神をおかなくてはなりません。2人とも神を求める必要があるのです。物事がうまく行かないときは、神との関係がうまくいっているか吟味する必要があります。夫も妻も、神を愛する術(すべ)を知っていれば、互いを愛することもできます。それこそが、真の愛です。愛とは無条件でなければならないことも学んでいます。男性として、何を重んじるべきかも学んでいます。一番大事なのが神で、そのすぐ後に妻や家族、その次に仕事、友人など他のものがくる、これが私の優先順位です。神は私たちの結婚の土台です。たとえ私たちが失敗して道から外れても、確かな土台は崩れさることがありません。しかし男性が、職業に希望や喜びを見出しているとしたら、職業も家族も去っていくかもしれません。そういうものは崩れたり去って行ったりしますが、主イエスは決してあなたを離れません。主イエスの土台は確かで、永遠に続きます。私はそのような土台を大切にして、チームメートや、他の人々、家族に伝えていきたいです。人は、 クリスチャンになることは、楽しく、嬉しいことだと知る必要があります。クリスチャンは力を持っていて、弱い人間ではない。クリスチャンであることは、強いことなのです。(男性の中で)見えない神に仕えることができるのは、力のある本当の男性だけです。男性とは何であるか知りたければ、見えない神に仕え、クリスチャン生活を歩んでみるべきです」
 ホージーは現在、米国のマイナーリーグでヒッティング・コーチをしているが、野球人生が終わった将来、牧師になれるようにと祈っている。

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